いつか散る花に祈る。
夢を、みていました。 雪が降るのを見るたび、自分の業を覆い隠してくれることを願いました。 鮮やかな血のしみが、まぶたの奥に重く憑いている色彩が、ましろな沈黙で、この淀みの中から消えてくれるのを、ひたすら願いました。 自分の為したことより、それを願うことのほうがどれだけ罪深いか、人に与えた無情な傷痕を忘れることのほうがどれだけ。 罪深いか、わかってはいても。 その美しさに、願わずにいられなかったのです。 ただ懺悔だけは、許しを請うことだけは、何があってもしないと、誓って。
その白さの中に、赤い花が、ことりと首を落とす。 ![]() 春に咲く花は、雪の白さに似て同じではなく。淡く色づくその優しさに、あなたを思い出さずにいられませんでした。 目の前をあまさずその色に変えてしまう花は、けれども追憶だけを残してわずかな祀りの時を去ってゆきました。 まるで、この罪に塗り染められた我が身が、あなたを思うつかの間ですら、あなたを汚すことだとばかりに。許されないことだと、それはどの罪よりも決して許されることではない罪悪だとばかりに。 そうしてわたしは、まわる季節の中、取り残されてゆくのでしょう。 一つ一つ、まるで惜しむように、少しずつ身を切るように舞い散る花。 ことり、と首を落として息絶えた花も。 惜しむ人々の心に反して、風に逆らうことなく舞い散る花も。 ――それは諦めにも似た、儚さと。 ――身を切るようにして散る、未練と。 もう、君に会えないのなら。 それが夢ですらかなわないなら。 せめて花の下で、息絶えることを許して。 |
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