精霊の守り人


上橋菜穂子/偕成社


 久々の児童文学。児童文学侮り難しですよ! 面白かったです。 私の中で今児童文学が熱いです(笑)。
 ファンタジーですが、30歳の女性バルサを主人公に据えてるところがちょっと変わってます。 でもこの主人公のバルサ、本当に格好良い女性なんです。
 女性でありながら、用心棒を生業としていますが、これがまたものすごく強い。 短槍を操って戦うのもそうですけど、力が強いというのとはまた違って、自分の運命を受け入れることに対する強さ、というか。まぁこれは彼女がこれまでの人生をどうやって生き抜いてきたかということにも大きく関わってきてると思いますが。

 まったくの偶然で新ヨゴ皇国の第二皇子の命を救ってしまったがために、バルサは皇子の用心棒をすることになってしまいます。皇子の母親であるお妃様に頼まれてしまうんですが、皇子を守って生き続けるか(守りきれず死ぬかもしれないという可能性多いにあり)、頼みを断って殺されるかどちらか選べ、と言われてしまいます。はっきり言ってめちゃくちゃです、お妃様ι でもバルサはあっさり生きる可能性がある方を選びます。この決断の早さが潔いです。
 で、このバルサが一番心を許しているのが幼なじみのタンダ。呪術師の弟子で、物事をよく知っていて、また知ろうともしています。バルサより年下なのですが、包容力あるというかなんというか。さりげなくバルサを支えてる感じがして、とにかくこの人も格好良いのです。二人はお互いにいなくちゃならない存在なんだろうなぁと感じます。恋愛模様はそんなに出てませんが、この二人の微妙な関係が気になったりします(笑)。
 そして突然わけも分からぬままバルサと旅することになった皇子、チャグム。勝手に大きな宿命を負わされてすごく辛いと思うんですが、用心棒になったのがバルサだったのがチャグムには幸運だったような。同じような境遇にあったバルサだからこそチャグムを支えられた部分が少なからずあると思うので。しかし、このチャグム、最初はえらく生意気なお子さまです(笑)。でもどんどん成長していくんですよね。最終的に新ヨゴ皇国の皇太子になります。この旅を終えた彼はきっと今までにない帝になるんだろうなぁと。チャグムのその後が書かれた番外編もあるそうなので楽しみです。


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