空色勾玉


荻原規子/徳間書店


 勾玉三部作第一弾。古代ファンタジーはちょっと苦手意識があって、今まで手を出せずにいました。手を出そうにも、図書館でいつも予約中だったってこともあったのですが。そんなに人気があるくらい面白いのなら一度読んでみようと思ってようやく手にしたわけですが・・・もっと早く読んどけ、自分!って感じでした(笑)。

 神々が地上にいた古代の日本で、輝の氏族と闇の氏族との戦乱の世。その戦乱を決するという「大蛇の剣」を操る「風の若子」、稚羽矢とそれを押える力を持つ「水の乙女」である狭也が出会うところから全てが始まります・・・といっても二人が出会うまでにかなりかかるのですが。

 主人公の狭也が、稚羽矢と出会い、稚羽矢を外に連れ出すときのセリフが印象的でした。「剣をもって、いっしょに出ていきましょう。あなたの檻、あなたを縛めるものも、同じ刃のもとにこわしてしまいたいのよ」。狭也ってこのシリーズの女の子の中ではちょっと消極的な気がするのですが(というかあんまり活躍させてもらってない)、ここのシーンは好き。どこか受身な感じだった狭也が自ら動き出したというか。この辺から荻原さんの書く女の子、って感じになってきたような気がします。狭也は自分が選んだことの中でも迷ったり恐れたりするところが人間らしいのですが、逆に稚羽矢は人間らしい感情が乏しいというか、一番感情を読み取りにくかったのですけど、迷うことがないんですよね。そのあたりが狭也と対照的で面白かったです。最後の稚羽矢の一言もおかしかった。オチをつけておわりかい、みたいな。

 でも実は私が好きだったのは狭也よりも稚羽矢よりも科戸王と鳥彦だったりします。このコンビがいい味出してます。狭也にそっけないと見せかけてこっそり花とか首飾りとか届けちゃってる科戸王の不器用さとか、鳥彦の一番見た目は幼い(というかカラスだし)のくせに物事一番良く分かってるんじゃないのかってところとか。この二人、もっと活躍させて欲しかったです。

 しかし私、想像力皆無なばかりか古代の日本の知識もまったく無いので、この主人公たちの姿がどうも想像しにくいのです。髪型くらいしか分からん・・・(汗)。ファンサイトめぐりをしてなるほど〜と納得すること多々なのです。



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